「ほいだらな、帰れんようしてやるからの」

【怖い話 第246話】「ほいだらな、帰れんようしてやるからの」

参考URL
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1417618340/


486 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/20(金) 16:08:16.50 ID:mzVFw70U0.net

時間も無いので失礼。

俺が測量会社に入って2年目、もう会社の業務にも慣れ、一通り業務を
こなせる出来るくらいになった頃だった。その時の恐怖体験を語ろうと思う。
測量会社は単に街の測量だけをやっているわけではない。河川の測量、農地
の測量、そして森林の測量など多岐にわたる。我が社はN県という森林の多
い土地柄、森林に関わる業務が多い。だから山に登ることやノウハウはある
程度免疫があったし、その頃には業務箇所の図面さえ頭に入っていれば、図
面が無くても方角などは分かるようになっていた。
その夏はとても蒸し暑く、各所で最高気温の更新が続いた夏だった。俺はN
町の森林で先輩2人と森林の面積を測るため、測量に来ていた。その山はヒ
ノキやスギといった針葉樹が多く昼間でもうっそうとした暗い森が続いてい
た。そして極め付けが笹だ。熊笹と呼ばれる葉が大きく茎も太く長い、厄介
者が下層を占めていた。これは仕事としては大変な現場になると3人とも確
信していた。3日で終わらない。

487 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/20(金) 16:09:03.05 ID:mzVFw70U0.net

2日目のことだった。ポータブルのGPSを持ち昨日の業務を続けるためポイン
トへと登り始めた。そのポイントまでは歩いて30分程かかる。10分程たった
頃、俺は腹痛で限界を迎えつつあった。我慢できず、先輩に声をかけ、事情を
話し先に行ってくれとの旨を伝えた。俺はGPSを持っていなかったが、昨日の
帰りに付けていった目印テープで目的に場所には辿り着ける。俺はいつものこ
とながら特になにかを心配してはいなかった。
用を足し、その場から離れ目印の目印テープを探した。あれ・・・。用を足す
前に一瞥し確認した、スギの目印テープが無くなっていた。不思議に思い別の
続き

木を見渡したが無い。おかしいと思い次のテープを探そうと尾根を登っていっ
た。しかし、次のテープも無い、見つけられない。あるはずのものが無いと人
間急に不安が襲ってくる。しかし、昨日降りて歩いた道なので、その記憶を頼
りに登り始めた。

488 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/20(金) 16:10:38.11 ID:mzVFw70U0.net

続き

少し登った時だった、茂る笹の間から細い脚が見えた。あれ?と思ったが背丈
もある笹のためもう少し登ると驚いた。子供が立っていた。ボロボロの着物、
これはもう江戸時代の農村の子供を彷彿とさせるような茶色の布着れをまとっ
ただけ、そしてわらで出来た帽子のようなものを被り、顔に狐のお面を付けて
いた。
俺は腰を抜かし、笹藪に尻餅をついてしまった。声も出ず固まった俺に近寄っ
てきた。というかスーっと動いたという表現が正しい。そして、俺の顔の真ん
前まで自分の顔を近づけ「ほいだらな、帰れんようしてやるからの」と言った。
その瞬間、俺の毛という毛が逆立った。芯から恐怖をしている、そんな感じだ
った。その子供は消えるわけでなくそのまま俺の後方にスーっと去っていった。
山に登る時スマホを持っていなかった俺は先輩に連絡も取れず、少しの時間そ
の場にへたり込んでいた。
そうこうもしておれず、とにかく先輩たちと合流するため笹をかき分けるよう
必死に登った。その時また俺の耳元であの声がした。「ほいだらな、帰れんよう
にしてやるからの」・・・

489 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/20(金) 17:20:13.15 ID:mzVFw70U0.net

そこからは無我夢中だった。いる!確かに俺の後ろ、背中のすぐにあれがいる!
そのまとわり付かれる恐怖で頭が真っ白になりそうだった。必死に登っている最
中も耳元で「ほいだらな、帰れんようにしてやるからの」何度も言われた。目印
テープなんて探そうともせず、その声から逃げるために必死に本能のまま登った。
しかし、その気配は常に後ろにあり本能が後ろを見るなと警告していた。昨日帰
り道に見た大きなトウヒが見えた瞬間俺は最後の体力を使いきり、ポイントに到着。
事先輩と合流できた。
俺がなぜ遅かったのか、先輩は息を切らして青ざめた俺の顔を見てよからぬことが
あったことを察してくれた。もう俺の背後に気配はなく声も聞こえなくなっていた。
もう帰りたい気持ちで一杯だったが、先輩たちのメンツもあるためなんとか夕方まで
頑張れた。

490 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/20(金) 17:20:41.32 ID:mzVFw70U0.net

日が落ち始め山間部は薄暗くなったころ俺たちはなんとか人家に近いふもとま
で測量をしながら下りてくることが出来た。帰り支度をしている時ふと田んぼ
に人影があった。・・・!あれだった、あれが付いてきた!あれの方向に指をさ
し先輩を呼んだ、その瞬間あれはまたスーッと去っていった。
その日の帰りがけ、下っ端の俺が運転する車はトラックとの衝突事故に巻き込
まれた。車は大破し先輩二人は重症を負いながらも命に別状はなかった。一人
を除いては。
事故のほんの少し前、「なぜ・・・」と言った理由。あの子供の様なものが憑い
てきたのか、本人がいない今もうわからない。とにかくあいつの話した恐怖体験
は今でも鮮明に覚えている。あいつの目線で書いてみたが、読みにくかったらすまん。

笹



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