千体地蔵

【怖い話 第1700話】千体地蔵

引用元
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1433425141/

495 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/25(木) 21:40:56.02 ID:XXuZKD7i0.net[1/6]

千体地蔵

俺はそーゆーのが好きな性質で、いわくのある史跡や遺跡など見に行く人だった。
K○からS○にかけて“マリア地蔵”なるものがあると知り、旅行の道すがら見て回った。
るるぶのような情報誌に簡単な地図があり、それを頼りに周ったのだが、
一箇所、車の入れないところがあった。そこは、実は観光スポットではなく、
情報としてとりあえず全部カバーした、“ここにもマリア地蔵あるよ”と言う地図上の点であった。

496 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/25(木) 21:42:28.25 ID:XXuZKD7i0.net[2/6]

ここまで来て、これを見ずにおくのは癪だったので駐車場に車をおいて、山の中をぽくぽく登っていった。
一応、道はちゃんと残されていて、小高い丘をぐるっと回り、村を見下ろす小さな広場にそれはあった。
“千体地蔵”の立て札の先には20cmから60cmほどの地蔵様が群れていて、その脇に簡素な小堂がある。
“マリア地蔵”はその小堂に居たが、それよりも千体地蔵の群れに驚いた。
あとでよく考えればわかることだったのに、千体地蔵の事を深く考えずにいた自分がはずかしい。

497 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/25(木) 21:43:58.19 ID:XXuZKD7i0.net[3/6]

地蔵の群れとその脇に色とりどりな風車が林立するさまが、京都の化野と恐山を思い出させる。
カラカラとまわる風車の羽音が右から左から会話をするように聞こえ、
“ここは来てはいけない場所だった”と感じた。
「もう、行こう?」彼女はもっと鋭敏だった。この小さな広場には入らず縁を迂回して、俺に訴えた。

498 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/25(木) 21:45:39.86 ID:XXuZKD7i0.net[4/6]

その夜、寝ようとすると彼女が神妙な顔で、
「あのさぁ、Sちゃん。嫌がると思ったから言わなかったけど、今日のあの場所さぁ、水子供養のお墓じゃない?」
はっとした。そうだ、それだ。
その瞬間、彼女によると“気絶”したらしい。
そこから朝まで記憶がない。
ここから先は彼女から聞いた顛末で申し訳ない。

499 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/25(木) 21:47:45.62 ID:XXuZKD7i0.net[5/6]

Sちゃん急にばったっり布団にひっくり返って、ほんとに倒れるように、気を失ってびっくりした。
ほいでもって、うんうん何かしゃべりだして、ハッキリ聞き取れなかったけど、
“はらがへった”“お腹がすいた”“おかがみえん”と言っていた。

怖かったから旅館の人に診てもらったんだけど、熱は無いし、
旅館の人と戻ってきたときはスースーいびきかいとったから、大丈夫かと思って、、、、

次の朝「でも、心配だったから、私はちっとも寝れなかった」と聞かされ、すまないことになったと詫びた。

500 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/25(木) 21:51:53.89 ID:XXuZKD7i0.net[6/6]

帰りの車の中で、“はらがへった”は解るけど、“おかがみえん”ってのはなんだ?と話し合った。
「わからんけど、こんな感じやった、“ぉかーがーみえーん!、かー↑がー↓みえーん!”」
か細い声で状況を再現したとき二人同時にゾッとした。
「お母さんが見えないって言ったんだ!」そうか、小さい地蔵は水子で、少し大きいのは、子供なんだ、、、、
子供を祀る? 生まれてきた子供なら、一家の墓に入れるのでは?
そこから先の想像が怖い。 おそらく、間引きではなかろうか。
いまでこそ観光名所となっているが、その昔、天領だったK○は質の良い木材の産出地として厳しい規制が敷かれていた。
枝一本手折るだけで首がとぶと云われ、勝手に木の伐採など出来なかったらしい。
かといって、山深いこの土地で林業以外の産業があるわけもなく、貧困に喘いだ歴史がある。

そういう下地を考えるに、千体地蔵という子供の墓場が、村から隠れるような場所にあった理由が見える気がする。

地蔵



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